小さなベンチャー企業から大企業まで、多くの組織が業務をクラウドに移行し、オンライン上でのコラボレーションや生産性向上サービスを取り入れるなど、近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)は誰もが注目し、話題となるキーワードとなっています。

パンデミック発生以前は、SAPクラウドソリューションへの業務移行は、なかなか実現せず、多くの企業は、DXを本格的に導入していない状況でした。しかし、新型コロナウイルス感染症 (Covid-19) によって、世界中でロックダウンが起こるなどし、パンデミックを乗り越えるためにはリモートワークが必須となり、あらゆる企業がこの予想外の流れの中でもビジネスを遂行する必要に迫られました。

パンデミック対策として、政府による制限が課せられ、世界は大きく変わりました。旅行などのホスピタリティー業界は、継続が困難になり、損失対策に苦労しています。Covid-19が深刻化する中で、不確実性や、今後の「ニューノーマル」への対応として、企業はDXやSAPのクラウドコンピューティングに業務を振り分ける方向へ動いています。パンデミックによってもたらされた課題への対策として、DXを加速させ、数年分の計画を大幅に短縮して実行しています。

世界的に見ると、パンデミックによる制限が少しずつ緩和されています。人々が通常の習慣に戻りつつある今でも、DX計画が加速し続ける理由はたくさんあります。今回のブログでは、企業がSAPクラウドソリューションに注目している理由をご紹介したいと思います。

SAPクラウドソリューションの価値

パンデミックは、多くの企業がSAPクラウドソリューションの価値を認識し、重要な業務に柔軟性をもたらすことを理解するきっかけとなりました。さまざまな業界で、導入が加速したことから、クラウドコンピューティング市場にとっては理想的な流れが生まれ、2022年には、世界で3,974億ドル超の市場になると予想されています。

柔軟なビジネス機能

パンデミック以前は、多くの企業がSAPクラウドソリューションを、対応力のあるイノベーションを支援し、コストの最適化や市場投入までの時間の短縮を実現する最新のインフラとして注目していました。しかし、Covid-19が発生して以来、企業は、SAPクラウドソリューションは、柔軟性のあるビジネスを構築するために不可欠な機能を提供するものだと捉えるようになりました。一例としては、災害復旧(ディザスタリカバリ)、バックアップコストの削減、リモートワークフォース管理、ビジネスプロセスと継続性の改善などがあり、これらは柔軟な組織の構築に必要な俊敏性をビジネスにもたらす機能のほんの一例です。

高度なビジネスオペレーション

コロナ禍で、企業は進化を余儀なくされています。オンライン学習、バーチャルリアリティ、インテリジェントなチャットボット、デジタル決済、バーチャル小売、拡張現実、遠隔医療など、消費者からの継続的な需要に対応するため、多くの企業がSAPクラウドソリューションを導入しました。

外出ができない状態の中、人々は、店舗での買い物からオンラインショッピングに移行し、eコマースやビデオストリーミング産業は急成長を遂げました。その結果、実店舗を持つ多くの小売やサービスプロバイダーは、顧客基盤を守るために、オンライン注文、宅配、店舗での受け取り、指定の場所でのピックアップなどのサービスを提供するなど、デジタルに軸足を移しました。

リモートワークの可能性

リモートワークの広まりによって、シームレスなオンラインコラボレーションとビジネス継続性を実現するSAPクラウドソリューションの価値が証明されたとも言えます。すべての従業員が、どこからでもコンピューティングソリューションを使用することができます。企業にとっても、手軽に移行を実現できるソリューションです。大規模なIT運用の変更を実施することなく、いつでもどこからでもデータの保存とアクセスが可能になり、運用の最適化に集中できるようになります。

在宅勤務が始まった当初は、リモートワークを今までと同じようにシームレスに実行するためのインフラが整っていなかったため、従業員は制限された状態でリソースにアクセスすることになり、多くの歯がゆさが発生しました。それを解消するために、企業はSAPクラウドソリューションを採用し、従業員が業務を遂行するために必要なデータへ完全にアクセスできるようにしたので、時間とエネルギーを節約しながらもリモートとして通常の業務に戻ることができるようになりました。

ヘルスケア産業への投資

コロナ禍の医療業界は、最前線での戦いを強いられ、世界中で限界に達していました。その結果、バーチャルの予約システムやSAPクラウドソリューションが導入され、臨床業務の迅速化と効率化に役立つデータをリアルタイムで提供する、クラウドベースソリューションに対する需要が増加しました。SAPクラウドソリューションを活用した新しいプロセスの多くは、データ保護基準やHIPPAコンプライアンスに準拠しながら、患者の体験を向上させるために、マニュアル文書の廃止や手順の合理化を行っています。

オンライン教育

世界各地でロックダウンが実施され、多くの学校や大学が影響を受けました。その結果、教育現場は他のどの業界よりも早くDXが進み、ほぼ即座にオンライン授業への切り替えが行われた機関もあります。教育業界におけるSAPクラウドソリューションは、学習評価、試験、授業料管理などの業務を支援しています。

過密状態を避けつつも多くの児童・生徒・学生に教育を提供できることから、遠隔教育が業界の進むべき方向性だと考える人も多くいます。SAPクラウドソリューションには、技術的なサポートが組み込まれているため、教師の負担を減らしながらも児童・生徒・学生を支援し、さらに一人ひとりに合った学習体験を提供することができます

例えば大学でSAPクラウドソリューションを使うことで、教授による更新メールの送信忘れなど人為的なミスを妨げたり、課題の内容に変更があった場合でもいつでも最新版の情報にアクセスしたりすることが可能です。学生にとっても、最適な資料にすぐにアクセスでき、自分のペースで学習できる理想的なプラットフォームと言えます。ビデオ会議ツールから文書・ノート共有、共同修正ツールまで使え、学生と指導者は、対面よりも効果的に共同作業ができることに気がついています。多くの児童・生徒・学生が最高の教育を受けることができるように、教育機関においてソリューションの導入が始まっています。

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