ライフサイクル管理によってグローバルERPロールアウトを成功に導く
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Closeデジタルトランスフォーメーションは、実装すれば完了であると勘違いされる場合が多くあります。このような時に使われる「実装(インプリメンテーション)」や「設定(インストレーション)」という言葉は、新しいプロセスを実行して完了するまで、という終わりがあるもののように受け取れることから誤解されがちです。そしてこのような誤解は、経営陣から従業員まで組織全体を通して広まっており、この理解のままでは、企業にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。
ERPロールアウトのプロセスは、単なる導入フェーズ以上のものであり、特に世界各地に関連子会社を持つ多国籍企業の場合はなおさらです。導入プロセスに関しては、 常に維持管理を必要とする終わりのない「ライフサイクル」、として捉えることが正解です。さもないと、グローバルロールアウトに貢献する重要なプロセス、関係、サービスを実現できず、ただ導入したという自己満足にとどまることになります。
植物や動物など、あらゆる生き物と同様に、組織の成長や拡大においても常にメンテナンスが必要です。そして、ERPプロバイダーやロールアウトの専門家は、企業システムが発展していくための重要な役割を担う存在です。
クラウド時代のグローバルERPロールアウト
クラウドアプリケーションは、中小企業の成長をサポートするだけでなく、グローバル規模での経済連携を可能にします。現在、企業はERPの保管場所に、オンプレミス、クラウド、あるいは自社のサーバーとパブリックサーバーの組み合わせという選択肢があります。ERP の導入プロセスは、一般的に「計画」「設定」「展開」の 3 段階で構成されると考えられています。
反復プロセス
ERPの導入は、長期間にわたる反復的なプロセスです。3つの主要なフェーズにはそれぞれのサイクルがあり、市場の要求に適応しプロセスを改善するために、ERPを計画、実行、改良していきます。
ライフサイクルの全体像
ERPのロールアウトプロセスには6つの段階があり、それぞれの段階で計画、設定、展開というフェーズを含みます。
1 調査と計画
2 設計
3 開発
4 テスト
5 稼働
6 継続的なサポート
6つ目の継続的なサポートは、グローバルERPロールアウトを長期的に成功させるために重要です。継続的なサポートの中で、関連子会社の従業員から本社の役員、ビジネスパートナー、顧客など、ERPシステムに関わるすべての人々によって、システムの欠陥や不完全さなど改善点を発見することができるからです。
終わりなきロールアウト
クラウドコンピューティングが登場する前、企業はERPを自社サーバにオンプレミス型で配置し、運用・コントロールすることができました。しかし、分散型テクノロジーによってクラウド上のプライベート・シェアドサーバーでの拡張が容易になった現在、企業が使用するデジタルツールは、より複雑になっています。ERP製品は常に革新がもたらされ、更新されていきます。それは、ロールアウトが継続的なプロセスであることを意味します。それは、急速に変化するグローバル市場において、企業にさらなる機敏性/アジリティをもたらしますが、同時に大きな課題ももたらします。
ERPロールアウトの成功を阻む課題
複雑さ
企業の業種や業務範囲に関わらず、ERPのロールアウトプロセスを成功させる上で大きな障害となるのが、その複雑さです。平均的なERPロールアウトのタイムラインは、7ヶ月から1年以上と推定されますが、この長さからもその複雑さがわかると思います。実際、考慮すべき技術、手続き、および組織上の不確定要素はかなりあります。
データ変換
デジタルトランスフォーメーションの実現には、デジタルインフラや組織の抜本的な見直しに加えて、データストアの統合と改良を行う必要があります。企業のデータ構造をより包括的なシステムにすることで、企業はコスト削減、効率性の向上、コミュニケーションの改善につながる洞察を引き出すことができます。しかし、これは「言うは易く行うは難し」です。
ほとんどの企業データは、部門間で縦割化され連携されていません。多国籍企業の場合、関連子会社の数が多ければ多いほど、この課題は大きくなります。適切なデータ変換が制御不能に陥ったり、コストのかかる逆効果な取り組みにならないようにするためには、データ処理に関する広範な専門知識が必要です。
「人」の重要性
デジタルトランスフォーメーションにおいて、ソフトウェアソリューションやデジタルインフラに集中していると、「人」に関する側面を考慮することを忘れがちです。実証的な研究によると、ERPの導入を成功させるためには、技術的なニーズへの対応と同様に、組織行動やトレーニングなどの人的要因が重要であることが分かっています。グローバルなERP導入を長期的に成功させるためには、 組織のすべての準備が整っていることを確認する必要があります。そして、ローカル、グローバル、および中間レベルでの管理の方法の見直しが必要です。本社から関連子会社まで、すべての従業員を適切に教育することができなければ、グローバルなERP導入をスムーズに進めることはほぼ不可能といえます。
ロールアウトの成功とERPライフサイクルマネジメント
クラウド時代において、グローバル ERPロールアウトは「一度実施したら終わり」というわけにはいきません。技術的にも組織的にも不確定要素が多すぎて、通常の6〜12ヶ月の期間では十分な対応ができないのです。さらに、専門のコンサルタントによる適切な指導がなければ、グローバルなERPロールアウトは、あっという間に、コストのかかる無駄な努力に終わってしまうこともあり得ます。
このような状況においてbe one solutionsは、成長する多国籍企業を支える非常に貴重なサポートを提供できると自負しています。当社のグローバルSAPロールアウト専門家としての経験を活用し、ERP導入の6段階を実行するために必要な知識と経験を提供いたします。また、他社による短期的な保守・サポートとは違い、我々はお客様の本社と関連子会社間の組織力を強化するための、強力かつ長期的なパートナーシップを築きます。
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