2層ERPグローバルロールアウト:鍵となるテンプレート化
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Close当社のブログ記事では、2層ERP戦略やそのメリットについて何度か触れてきました。今回は、グローバル2層ERP戦略におけるテンプレートの重要性と、適切なビジネスパートナーシップによってERPエコシステムを最大限に活用する方法についてお話ししたいと思います。
ERP業界で50年もの歴史を持つSAPは、企業の規模によって異なる複雑さや、ニーズを満たすために必要なソリューションを熟知しています。企業によってニーズが違うという課題を解決することが、SAPの広範なソリューションスタックの開発とサポートの動機となっています。
例えば、大企業向けにはSAP S/4HANA On-premiseがあり、さらに中小規模の企業向けにはSAP Business OneとSAP S/4HANA Cloudがあります。2層ERPの機能をさらに強化するために、これらのシステムはSAP独自のミドルウェアソリューションを介してシームレスに相互作用します。そしてこれらのソリューションは、2層ERP戦略の基盤となります。
SAPの2層ERP戦略のビジョンとロードマップ
SAP のChannel Sales Management ERPの戦略的イニシアチブおよびトランスフォーメーションを担当する Justin Ho 氏によると、SAP をテンプレートベースで実行する場合、2 層 ERP 戦略が理想的であると言っています。小規模な関連子会社を持ち、統一されたソリューションで運営する企業にとって、これは3つの大きなメリットをもたらします。
まず1つ目に、テンプレートベースのアプローチでは、ロールアウトが非常に簡単かつ迅速に行えるため、複数の子会社に次々に導入できます。
2つ目は、SAP S/4HANA CloudやSAP ECCのスタックと比較すると、ソリューションの大部分が類似しており、ライセンスモデルもシンプルなため、多くのコスト削減が可能になります。
3つ目に、関連子会社の規模が小さく、複雑な業務が少ない場合はシンプルに使え、より複雑な業務を行う拠点では、ユーザーの要件や高度な要求にも対応できるという使いやすいソリューションが実現できます。
「この戦略全体の目的は、規模の小さなソリューションと大きなソリューションを連動させて、正しいビジネス成果を達成することです。このような統合を可能にするためには、ミドルウェアはもちろん大切ですが、2層化に関して大切なのは、導入するパートナーです。私たちは、2層アーキテクチャを開発するために必要なものを提供できますが、それに加えて適切なパートナーが必要となってきます。これは、例えば業種や地理的な要求でも変わってきます。そこで、be one solutionsのようなパートナーが、どのようにエンドユーザーにおけるロールアウトを実施し、サポートするかについて、非常に重要な役割を担っています。これが私たちのエコシステムなのです」とHo氏は語ります。
LORD社:テンプレート化とそのベネフィット
LORD社は、本社と大規模拠点ではSAP ECCを、世界各地の20の関連会社ではSAP Business Oneを稼働するといった、強固な2層ERPアーキテクチャを持ちます。同社のこの戦略は、企業の効率向上の最適な例です。 APAC地域のIT責任者であり、10拠点を担当するEddy Chan氏によると、すべての国で機能し、展開が容易で管理しやすい単一のコードを持つことが肝心だと言います。
「先に述べたように、当社の他のグループや部門でもSAP ECCが使用されており、マスターデータの管理を統一することが、とても重要です。在庫品目、ベンダー、顧客など、すべてのマスターデータは上流のECCで作成され、各地域のSAP B1と連携されます。これは、APACとEMEA(欧州・中東・アフリカ地域)の両地域に適用されています。現地では、これらのマスターデータの情報に対して、その国特有の詳細な情報で埋めていくだけです。これは、在庫だけでなく、グローバルな顧客やベンダーに関するレポートや管理にも非常に大切です。」
一貫したテンプレートがあるおかげで、LORD社は異なる事業体の管理を効率化できるだけでなく、国を超えた業務の相乗効果を得ることができるのです。
「地域の規則や規制を考慮した上で万能なグローバルテンプレートを持つことで、統率のとれたソリューションとなります。また、適応も容易で、非常に費用対効果の高い方法です。10回実行するのではなく、1回実行したら、それを他のシステムにコピー&ペーストすればいいのです。これは地域を限定せずに、世界中で適用できます」と、be one solutionsのAPAC リージョナル・ディレクター、Olli Kylänpääは補足します。
テンプレート化に当たりパートナーに求めたもの
「SAPパートナーがグローバルに展開していることは、我々にとって非常に有益で重要です」とChan氏は言います。Chan氏の担当は、10の事業体にわたり、そのうち7カ国は異なる言語、文化の中で運営されています。そこでbe one solutionsのように、各現地で活躍しているパートナーの存在は非常に役に立っています。
同社は、世界中に拠点があります。特定の地域専用に作成されたスクリプトを他にも活用できるなど、相乗効果が生まれ、全社的に非常に大きなメリットをもたらします。
「be one solutionsのカバー範囲は、APACだけでなく、南北アメリカやEMEAを含むグローバルなものです。これは、どの地域においても我々の業務を理解し、スキルを持つ専門家がついているということになります。このようなパートナーシップは当社にとって重要であり、他の会社にとってもメリットがあります。」
単一のグローバルパートナーを選ぶことは、コストと時間の両面で効率的です。例えば、それぞれの国で、ローカルベンダーとの交渉を行う手間が省けます。また、ソフトウェアの老朽化などの際に、異なるベンダー間でアップデートの情報共有に時間をかける必要もなくなります。
ブループリント作成から本番稼働後のSAPサポートまで、すべてのニーズを担当できる1つの窓口を持つことは、迅速にプロジェクトを成功させる鍵となります。
「私が担当するAPACでも、その他、例えばドイツやフランスなどでも使える1つのコードのために、多くの投資を行ってきました。この2層アーキテクチャを採用することで、投資から最大の利益を得られると考えています」とChan氏は語ります。
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