ERPシステムのロールアウト戦略

世界各国に拠点を有する企業にとっては、地域によって事業のやり方が違う場合や、費用対効果などの観点から、グループで同一のERPシステムを導入することが難しい場合があります。このような場合に採用されているのが、2層ERPモデルです。2層ERPにおいてコアとなる1層目のERPは、そのほとんどが収益数十億円規模と推定されるFortune1000企業でもある多国籍大企業向けに構築され、そのニーズに応えるよう設計されています。これらのERPシステムは、複数の人が同じタスクを処理することを可能にするなど、大規模な企業が必要とする複雑さを処理するように作られています。SAP ECCやSAP S/4 HANAは、このような高機能なERPシステムといえます。その分設定が非常に複雑で、導入に時間がかかり、豊富な機能を備えているために初期費用も高く、総所有コスト(TCO)も高額になります。中小規模の企業にとっては、その複雑さや工程の多さが負担となってしまうでしょう。

2層ERPのロールアウト戦略

2層ERP戦略では、本社と関連子会社が企業レベルで行う共通プロセスのために、本社がコアとなる1層目を使用し、関連子会社の特定のニーズに対応するのに2層目を使用します。2層目は導入コストが比較的安価です。よって2層ERP戦略は、コストを抑えながらも、関連子会社により多くのコントロールと柔軟性や敏捷性を与えることができ、現地によって異なるそれぞれのニーズを満たすためにも最適です。SAP Business Oneのような2層目向けの ERPシステムでは、マスターデータの管理に細心の注意を払い、データの重複や不整合がないことが重要です。2層ERPの機能は包括的かつ直感的であり、同時にシステムは全体的に自由度の高いカスタマイズと俊敏性を可能にします。

現地のニーズに耳を傾けることで、本当に必要なERPシステムを明確に定義できます。多国籍企業が関連子会社に求める一般的なゴールと改善点は次の通りです。

  • コスト効率
  • 導入サイクルのスピード
  • 使いやすさとトレーニングのしやすさ
  • プロセスとデータの透明性
  • プロセスとデータの整合性
  • レポーティングの整合性
  • 子会社と子会社間、または子会社と本社間の統合
  • 組織の改善(ベストプラクティスのアプローチ)
  • 柔軟性や拡張性
global rollout SAP 2 tier strategy

ブループリント作成からロールアウトまで、ERPのグローバル展開

最善のシナリオは、実務を理解しているお客様と製品を完全に把握した当社のコンサルタントで構成されたコアチームがプロジェクトを管理することです。このコアチームが先陣を切り、同じくお客様と当社メンバーで構成する現地のチームと共にお客様の関連子会社へのロールアウトを成功させるのです。最初にテンプレートを作成し、それをパイロット拠点で導入します。さらに、それを活用して次の拠点に賢く導入するための具体的なワークフローを作成します。

当社独自の方法ですが、導入を成功させるための5つの主要なフェーズについてご紹介します。

まず1番目として、目的を定義し、必要な情報を集め、お客様のチームと一緒にプロジェクトを開始するための準備を行います。2番目はプロジェクトの開始です。要件定義を明確にし、テンプレートをデザインし、キーユーザのトレーニングを実施します。この分析段階が終わると、3番目に拡張性のあるソリューションの構築に入り、次に4番目としてユーザ受入れテストのフェーズとなります。システムのすべてが動作し、ユーザがERPシステムの機能全体を理解しているかどうかを確認する重要なフェーズです。そして、最後に運用フェーズが開始されます。本番稼働後の運用が始まると同時に、ソリューションの提供のみならず、お客様がご自身でERPシステムを運用できるようになっていることを確認します。

本番稼働後のサポート

もちろん、これで終わりというわけではありません。稼働後のサポートとしては、当社の専門家によるサポートチームが、現場もしくはリモートで、電話、メール、Skype、WhatsAppなどのあらゆる手段を通じて専門知識を提供し、支援します。 当社には、世界中で3つのサポート拠点があります。そして、案件やサポートチケットの取り扱いを一元化し管理することで、最大限のコスト削減を実現しています。 システム稼働後は、24時間365日、英語でのサポートサービスを提供可能です。さらに、ビジネスアワー中は、日本語を含む18カ国以上の言語でサポート致します。お客様の未解決のチケットや、保守サポート費用の予算を明確に管理し、完全に透明化するため、月次で運用管理のレビューを行ったり、月次のアクティビティレポートやダッシュボードレポート、またサポート予算分析のレポートも提供しております。当社のグローバルサポートサービスについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひお問合せください。

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グローバルサプライヤーのもたらすメリット

当社は、サービスの提供にあたり第三者を介しません。つまり、コアチームも現地チームもbe one solutionsのリソースはすべて当社の一員であり、必要なときに必要な場所で対応することができます。つまり「ワンストップサービス」を提供することになります。窓口を一本化すること、つまり真の意味でのグローバルサプライヤーを選ぶことのメリットをご紹介します。

  • テンプレートは、コアチームが作成します。
  • パイロット拠点では、必要に応じて導入する国に在籍する現地チームも参加します。
  • 各拠点へのロールアウトは、現地チームが管理すると同時にコアチームがそれらをまとめて管理します。
  • 現地チームの担当者もbe one solutionsの一員であり、当社の手法を熟知しています。
  • チーム全員が最低でもバイリンガルであるため、言語コミュニケーションによるギャップや誤解が極力生じない体制で臨みます。
  • お客様専属のチームがプロジェクトに取り組んでいるため、スケジュールに問題が生じることがありません。
  • 当社のチームメンバーは平均して15年のSAP導入経験を有しており、プロジェクトのニーズに応じて、SAP Business OneまたはS/4 HANA Cloudの専門家を配置することを保証します。
  • 明確な報告体制をとっており、be one solutionsの社内で一貫して対応します。
  • お客様本社とサプライヤーとの連絡窓口が一本化されます。

be one solutionsが選ばれる理由

be one solutionsは、お客様の海外拠点へ最適なソリューションを提供いたします。経験豊富な100人以上のエキスパートを、世界中の拠点に配置し、テンプレートの作成、パイロットシステムの作成、開発、システム稼働後のサポート(24時間365日)を含むSAP B1のロールアウトを行っており、サポートでは18カ国語以上の言語に対応しています。さらに、国際的な専門家チームにより、60カ国以上、500以上の関連子会社にSAPソリューションを導入してきた実績を持ちます。 スイスを本社とし、日本をはじめ、ドイツ、フランス、イギリス、スウェーデン、ブラジル、アメリカ、メキシコ、シンガポール、香港、中国、タイ、マレーシア、フィリピン、韓国、その他多数に事業拠点を置き、お客様のグローバルなご要望にお応えできるよう取り組んでいます。

導入事例で具体的な内容を紹介します

be one solutionsは長年にわたり、数々の大手多国籍企業にサービスを提供して参りました。当社のソリューションに興味がございますか? 導入事例を通して、当社の持つ専門知識についてぜひご確認下さい。